記録

加奈子のブログ

やれやれ、と思った。

単純だから歌詞を書けるようになりたいと思って最近は珍しく本を読んでいる。私は音楽と映画しか趣味がない。建築も服も好きだけどまたそれは別物だと思ってる。趣味と仕事を混同してるから辛い。

学生時代みんなが漫画の話をしている話の輪にはもちろん入れなかった。漫画に限らず大体話が合う人が周りにいなかったからこんなことになってしまった。

小説も漫画にも馴染みがない私の部屋にも一応本棚はある。影響を受けたミュージシャンのインタビューが載ってる音楽雑誌やメタボリズム建築の図録、アーティストの作品集や名言集の類のものがいくつかある程度で、ほとんどがCDと楽譜で埋まってる。本当に子供の頃から音楽が好きだった。音楽やるきっかけのお話はまたどこかでします。

漫画や小説の話で盛り上がれるタイプのサブカルに憧れていたけど今の自分は想像していたものとは違うサブカルになってしまった。ゾンビ映画で元ネタ見つけて早口になれるからそれはそれでいっか。

 

 

言葉は苦手だった。子供の頃からいつも色々なものに恐れて気持ちをうまく言葉に出来なかったし、勉強ができないコンプレックスも強かった。自分の気持ちにしっくりくる表現を知らなかった。とにかく口数が少ない子供だった。コミュ障がそのまま成長してもコミュ障のままだ。大人になると会話せざるをえないから話せるような振る舞いをしているだけ。大人になっていくメリットは苦手なことを経験値で色々誤魔化せるようになるだけと思ってる。他人に感情移入するのとか遠回しな表現も苦手だからとても誤解されやすい。

知っている限りの形容詞などを使って、合ってるかわからない不安を抱えながら今の気持ちに一番近い言葉を並べれば相手に100%伝わり、他人の頭の中に私の考えをコピペできるものだと思っていた。そういう勘違いが自分を苦しめていただけだった。なんで誰も教えてくれないの。

言葉は受け手によってニュアンスも意味も変わる。それらを活用出来て初めて言葉が成り立つ。小説は想像力がとても鍛えられる。映画だったら映像と音が補ってくれる。むしろ台詞がなかったりする。自分のキャパで知らないことを知ろうとするのは無謀で勇敢だと思う。そんなことみんなはもう知ってたかもしれないけど私はここ数日で初めて知りましたよ。

漫画を読んでみたいとオタクの友達に甘えてみたら岡崎京子作品を勧められたのでいくつか読んでみた。何これ私じゃんとワーワー言いながら主人公に自分を重ね合わせていとも簡単にはまってしまった。サブカルだからね。自意識過剰だから自己肯定出来たような気がした。

 

苦手なものはとことん避けるタイプだから歌うという選択肢を選んだ。というより全部苦手で避けまくった結果がそれしか残ってなかった。曲はたくさんできるのに歌詞が書けないという事態に直面しているからなんとかしないと歌うことすら難しくなってしまう。これまでに発表した歌詞はフィクションだし大体がオマージュや引用を色々と頑張ってコネコネした結果でしかないけどどれも愛着があって気に入ってる。オタクだから元ネタとかいつまでも好きだな。

 

自分の言葉で本心を伝えられるようにアカデミックに、素直に、ずる賢くなりたい。好きな人には好きとか言ってみても自尊心の低さからどう伝わってるのか不安だしひねくれた性格が邪魔をしてきて違和感しかない。でも言葉は誤解だし、そういうリハビリ。

自意識がとっ散らかって、全部苦手だから私には音楽やるしかない…と感傷的になる時もあるけど不器用なりに完結させて世の中に出ていった作品を皆さんが好きと言ってくれるおかげで延命治療になっています。あとマイペースすぎて今年何もリリースさせていないのに意外と焦っていない。こんな自称アーティストでも感受性だけは休むことなく日々自分との戦い。

来年は素直が流行る。流行れ。